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物語をのせて❘Let the story ride.
私は祖母と対話を何度も重ね、祖母の語りを聴いた。祖母が語る曽祖母や曽祖父、妹たちのこと、娘である母のこと。それらをもとに、私が持つ祖母と母の記憶から祖母・母・私という相互の関係性について再起的に語り、<母親>について読み解こうとした。
これらの語りにはそれぞれ台本がある。自分自身にカメラを向けて語ることは、映像を再び見るであろう<私>と不特定多数の鑑賞者が意識されている。カメラを向けたとき、私は台本とは異なる内容を語っていた。
映像を見返すと、内容は「台本通り語られたこと」「語られなかったこと」「台本には書かれていないこと」の 3 つに分類できた。
本作は、台本(テキスト)と口述(映像)によって「語られたこと」と「語られなかったこと」をタイムラインに沿って表している。「テキストと口述」「書くことと話すこと」それらメディアの違いによって語られるものやこと、さらには口調などの感情の起伏は変化し、物語自体を揺さぶることがあるだろう。
私たちは書く・話すといったコミュニケーションメディアによって、物語を変えているのではないかと考える。これから発達していくコミュニケーションツールも同様に、私たちの物語を変えるかもしれない。私たちは物語をのせてくれるコミュニケーションメディアとともに、自己を語り、読み解く必要があるのだろう。
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